カスバの男 モロッコ旅日記 (集英社文庫)

カスバの男 モロッコ旅日記 (集英社文庫)

その言葉はとても美しく重たい響きであり、塵屑のように軽やかでもあって、
電車に揺られながらの眠気眼ではついうっかり読み逃してしまいそうなので、
二度読みばかり繰り返していたら、まだ読み終わらない。
でも、大竹伸朗はやっぱり凄い。
 ”結局この世に「好きな絵」や「嫌いな絵」はあっても、
  「いい絵」や「わるい絵」なんていうのはないのかもしれない”
このようなことを書いてしまうところが、とても嬉しい。
イメエジの深遠は続くけれど、じわじわとまだ知らぬ世界を覚醒してくれる。
いつもの街角が違って観えるようになるかもよ。