神保町徘徊で気づいたこと。

ジャニスへCD返却のため、日が暮れかけた頃に外出。
また神保町から降りて、地上へ出ればすっかり夜の帳がおりていた。
出かける時から腹が減っていたので、
返却したら、夕飯にしようと決めていた。
通りの古書店を特に熱心に見るでもなく冷やかしながら、
それでも色々と目にとまる本があった。

装丁探索

装丁探索

私の「本」整理術 (リテレール・ブックス)

私の「本」整理術 (リテレール・ブックス)

あと、パサージュ叢書や「素朴な画家たち」展図録、
溜息...。もっと読めたらいいのに。速読って言葉に憧れてます。
 
さてと、一応また天丼いもやを観に行く。
開いていたらいいのに...と願いながらもやはり灯りはついていなかったので、
道も途中で引き返し、さてどうしたものかとしばらくとぼとぼぶらつく。
あるくのおだいすきいだらだらゆうこおう...
そういえば、こんなふうに、目的も無くだらだら歩いたのは、
ひさしぶりだなぁ...と、なんだか感慨深くなる。
これはちょっと飄然としているなぁってね。
それほど隅々まで知っている訳ではないけれど、
やっぱり自分にとってこの街は特別だ。
午後6時頃で、通りによっては人独り歩いていない。
それでも、其処彼処でひとのにおいがする。いいにおいが。
だいたいひとつの通りのどこかにひとつといった具合に、
商いの灯があって、それがなんとも温かく心地よい。
とても驚いたのが、場違いな程、オサレな家具屋さんを見つけたこと!

平安工房*1という店らしいが、
あまりのこじゃれさに中に入るのは躊躇ってでも気になって、
カタログのようなフライヤーを持って帰って来た。
「マガジンラックベンチ」という、背もたれの裏側が本棚になっているベンチ!を
取り扱っているらしい。観た印象ではなかなか素敵です。
 
あぁこのカレー屋はこんなところにあったのか!
この店、こんなところに移転してたのかぁ!
といった風に、神保町を再確認しながらさらに歩く。
そこいらの美味しそうな店に入れば良いものをどうも気が進まず、
財布がなんだか嫌がっているような気もして(苦)、
食気よりも散歩の方に夢中になって、おそらくは白山通り方面へ向かっていたら、
あったあったよいもやがあったよこんなところに!

天ぷらだけれど、この際構わずそそくさと入る。
老夫婦がマイペースに商っている。
しかも、カウンターの小ぎれいな木目が眩しいくらいで、
開いてからそれほど経っていないような印象。
そうだよなぁ...こんなところになかったよなぁ?
ともかく、天ぷら定食にエリンギ!を加えて食した。
やっぱり違う。美味い。味噌汁からごはんから天つゆも最高。
のり、春菊、イカ、かぼちゃ、エビ、キス。そしてエリンギ。
変わらぬメニューにほっとする。茄子はなかったっけ?
身体が冷えきっていたこともあり、沁みてくるようでした。
天つゆは、以前に駿河台あたりの方で食べたものとは、
味がかなり違う...ゆずのような風味があった。
僕が入った時には常連風の年配男性が二人だけだったけど、
後を追うかのように次々と暖簾をくぐって来た。
仏頂面の主は、表情を変えずに黙々と天ぷらを揚げていた。
店の雰囲気としては息苦しさも感じるほどの緊張感すらあるけれど、
一口食べてしまえば、あとはもう夢中になって平らげた。
腹一杯で700円。天丼もそうだったけど、これは安い。
満足げに外へ出てみれば、左手にはすぐ白山通りが見えた。
そういえば、あっちにもいもやが...あれ?
なんと、ちょうど通りを挟んだ向かいの脇道に、
別の天ぷらいもやがあったのである。
その店は、僕が大学に通っていたもう十年前からあるのだが、
どちらがどうなのとか訳がわからなくなって、
散歩がてら向かい側まで行ってみた。
記憶にある店とはだいぶ変わって、
広くなり外装もまったく憶えが無い様になっていた。
こちらの方は店員が3〜4人ほどで、二十人くらいが座れるほど...
先の店のおよそ倍近くはある...邪推だが、なんとも穏やかでないような...。
 
とにもかくにも久々にいもやで美味しい夕飯を食べたことがなによりだった。
それに、神保町徘徊も想いがけず楽しかった。
入りたい店もできたし、毎週来ようかなぁ。
こんなこと書くと、だいたいは行かなくなるんだけれど...。
その後は、さかいやスポーツでpatagoniaのカタログをもらって、
白山通り沿いの店々で入っては出てを繰返し、
茶店にでも入りたくなったが、財布がまた嫌がったので、
しょうがなく帰ることにしました。
I'm just a Stroller...
飄然旅行もどきでしたが、これはなかなか性に合っているかも。