神保町徘徊、他。

Echo Parkなに浮かれてるのよってあんた、
浮かれたくもなりますよ...普通が一番だもの。
普通の休日、普通の朝、普通に晴れて、普通な独り。
普通に戻った僕はなんとなくデジカメをバッグに詰込み、
ジャニス*1の金券を使い果たすべく、
御茶ノ水経由ではなく、神保町から向かうことにした。
なぜなら、より長い時間電車に乗っていられるから。
ゆっくり読書が出来るから。
もっと読みたい本があるから。
今読んでいる本に夢中だから。
来るたびになにかが消えてなにかが聳えている印象で、
哀しいかな、どこがどうなったのだかわからないくせに、
それはあまり気持の好いものではない。
まずはユニオンに入り、CD10枚を処分した。
ほぼ予想通りの金額で買取られた。満足。
一階でだらだら棚を眺めていたら、
またグループ魂が流れて来た!この前もかかってたよ。
本田博太郎云々が嫌よ嫌よも耳のうちに入り込んでくる。
くるりの新譜が出ていたけど、
NIKKI(初回限定盤DVD付)初回盤はシングル4曲プロモDVD付きだけれど、
買う気がしなかった。
あんなに素晴らしい曲を聴いても、
アルバムはどうも乗気になれない。
それはただの気分だから。
でも期待度は今までで一番高いし近いうち聴くし。
ユニオンを後にして、通り沿いの古書店を冷やかし、
それでもなにか見つけられたら...と、なるべくよく見るも、
所詮は、店内まで入って楽しめるほどの好事家ではないので、
見切りをつけてランダムウォークへ。
ここでは好い見つけものがあった。
 
8plus発行の素敵なコンピレーションブック、
POCKET (No.02)*2が出ていた!すごく久しぶり!
なんと3年ぶりかぁ。忘れてたよ...。
前号はたしか「Sunny/Rainy」だったけど、今回も面白い。
 
『In-between』全14巻完結。
In-between 14 13人の写真家 25カ国
In-between 14 13人の写真家 25カ国別巻は、13人の写真家、25カ国。*3
つまらない本がないように、
つまらない写真もないと想いたい。
面白がれないだけだ...って、書いてあったな。
あの頃は、自分が関口、関口は自分だと心底染着いていた。
写真って面白いよなぁ。
果たして技術云々を知った方が面白く観ることができるのだろうか。
学び知ることで失うことを恐れてばかり...。
『Pocket』No.2を購入して、ジャニスへ。
金券2,500円分とさらに同じくらい借りた...。
その夜は、「栗コーダーの栗は、栗原の栗です。」でお馴染みの、
アンソロジー 20 songs in early 10 years(1994~2004)カルテットのアンソロジーをよく聴いた。
一曲目の「仔犬のテーマ(ペジエ)」で感動しない人は、
ちょっと寂しい...知らない人はちょっとしあわせになれますよ。
ひさしぶりに聴いたけど、『公式BOOTLEG』より遥かに好い(笑)
その後、三省堂へ寄り人も疎らな児童書フロアで絵本を読み耽る、
なんだか悪いことをしているような気もほんの少しあるので、
いちいち気が小さくなりがちであまり集中できない。
それでも、絶版だとばかり憶っていた本があって

きょうはみんなでクマがりだ (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

きょうはみんなでクマがりだ (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

  • 作者: マイケルローゼン,ヘレンオクセンバリー,Michael Rosen,Helen Oxenbury,山口文生
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 1997/10
  • メディア: 単行本
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想わず笑った。題名が凄くて惹かれていたのだけれど、
こんな内容だったとは!最後のクマの絵などほんとうに好いです。
お決まりのコースでその後は、階下で美術書音楽書などをチェック。
面白い写真集を観たのに、その本自体を忘れてしまった...。
隣に平積みされていた蜷川実花は憶えているのに...
このヤクダタズめが。この小鬼めらが...!
先日、プリンを食していたら、ふとおじゃる丸のことを憶い出した。
正確に言えば、初期のエンディングテーマの『プリン賛歌』を。
あの曲は、数ある最近のアニソンのなかでも超名曲に数えられるであろう、
ほんとうに何度聴いても胸がときめく素晴らしい曲だった。
もちろん、おじゃる丸が先にありきで、
どう過ごしても無駄に時間を潰しているような強迫観念に追われ、
ただどうやって現実逃避らしからぬ現実逃避をするかとばかり
想い巡らせていたあの頃、夢中になれた数少ない時間だった。
あぁこんなに美術書に囲まれて働きたいなぁと、
勤労意欲の薄れた自分を無理矢理奮い立たせて、
いい夢みさせてもらった気になって外へ。もう暗い。
そうだ!いもやに行こう。
いもやはいもやでも天丼のいもやであって、
天ぷらでもとんかつでもなくて、
あの大盛550円を頼んで、一粒残さず食べれば500円の天丼いもやである。
うきうき歩いてすこしばかり寂しい路地裏の角を曲がれば...
おかしい...灯がついていない...?
店の前まで来て、唖然。
中は覗けるがほぼ物置状態で、見知らぬ老婆がなにやら荷造りをしていた。
特に貼紙もないが、これはしばらく開けていない雰囲気であった。
なんだかかなり落ち込んだ。
しょうがない...とばかりに、近くの天ぷら屋へ向かう。
しかし...なんとも。
天ぷら屋はといえば、

しばらく休業致します。 店主

と縦書きの貼紙が...。
なんですかそりゃあ。
いつまでもあると想うな、想い出の味...(哀)
小学生の頃に給食で食べた天丼があまりに油濃くて、
それ以来苦手に過ごしてきた喰わず嫌いを克服してくれた店...。
友人が美味い美味いと七味をかけすぎて、
店員さんに
「お客さん...つゆおかけしましょうか?
 それじゃあ味わからないでしょ?」
と、嗜められてとても恥ずかしかった想い出。
あぁ、また開けてくれることを願います。
結局、他にあても無くだらだら歩いていたら、
近くにカレー屋が出来ていたので、そこへ想い切って入る。
おしゃれなカウンターのカレー屋。
なんだか落着かない...ビーフを頼んですぐに運んで来た。
味はまぁまぁ...量が呆れるほど少ない。
心はカレーにあらず。それでも勢いで平らげた。
なんだか腹六分、胸にはぽっかり穴を空けたまま、
歩くが汗をかいて火照った顔を包む夜気は冷たいだけ。
冷たいだけ。
デジカメは結局取り出しもしなかったなぁ。
帰って借りたCD聴こう、楽しみだなぁ。
そうだ、また来週来るのだから。
また覗いてみよう。
また繰り返すのか。
人間は思い出すために生きてるそうだ。
たしかに想い出は、
そう呼べるものはあたたかいから。