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The Beatles / A day in the life
*1
先の渚十吾著「一日を眺める本」で、まず出てくる曲。
"ビートルズのあの歌、知ってるかい?
a day in the life..... in my life..... "
もちろん知っているさ!
初めて聴いた時の衝撃は今でも忘れない。
レコード店がない田舎から、高校入学を機に上京してきた、
好奇心に満ちあふれた一少年は、
レンタル店からここぞとばかりに借りては聴き漁った。
ビートルズは、「プリーズ・プリーズ・ミー」「抱きしめたい」「ヘルプ!」ってあたりが、
とても好きだったけれども、
せいぜい親からもらった昔のラジオを録音したテープの世界がすべてで、
そこから先は未知の世界が広がっていた。
テレビで度々、耳にしたこともあるけれど、
実際その曲に音に向かって聴くとなるとでは全く違うので、
まぁ未知と言っても過言ではないだろう。
そんなある日、ビートルズ時代から含めて、
どうやらジョン・レノンのベスト的な内容になっている、
「イマジン オリジナル・サントラ」*2を発見。心躍り借りて帰った。
ここに収録された名曲群に圧倒されるなかでも、
最も衝撃的だったのが、"A day in the life"だった。
曲の冒頭からなんだかトーンがおかしい。
気怠さに充ち満ちているよな、ジョンの歌声、ギターの音...
ミニマルなピアノのフレーズ、弦楽器のトリッキーなアクセント、
そんなムードのなかでもポールの歌声ははりきっているように聴こえた(笑)
そこからまた、エコーまみれで散り散りになっていく叫びを経て、
どこか恐いくらいに空虚で清々しいジョンの歌声が導く、
"あの"ラストへ向かってゆくまでの展開といったら、
ヘルプ辺りまでしか知らない若僧には、そりゃあもう大騒ぎさ。
それともうひとつ、
その時はもちろん上記のような細かい感想もあったわけでなく、
ただ漠然と、違う!でもすげえ!と呆気にとられていたのだけれど、
この全体を取り巻く"Acid feeling".. まだVUを聴く前だったし、
憶えばこれがサイケ云々な音楽に触れた記念すべき最初の時だった。
そして、その音響に激しく魅了されてしまった。
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