Gillian Welch (and David Rawlings) / Annabelle


「未来に進みたいがために過去を大切にするような、
 実に過激なリヴァイヴァリストなのだ。」*1
 
カントリーやブルーグラスに馴染みのない自分でも、
胸をしめつけられるような衝撃を受けた曲。
元々は、そのテーマから"Dead Baby Song"と呼ばれていたようで、
歌や旋律の響き以上に重たい内容の歌詞だけれども、
ギリアンウェルチ本人もアルバムで一番気に入っている曲らしい。
日本一マニアックなレコード店のオーナーも想わず唸ったという、
当時28歳の女性SSWによる1996年のデビューアルバムから。
ジャケットからしてまるで何十年も前から、
タイムスリップして来たかのような佇まい。
R.E.M.Velvet Undergroundに夢中だった彼女が、
なぜカントリーやブルーグラスに同等の"なにか"を感じ、
自ら演じ歌うようになったのか。
その深みを感じ得るには、まだまだ素養が足りないのだけれど、
出逢ってしまった上に感銘を受けてしまったのだから...
この先の長い腐れ縁を楽しみにしつつ覚悟している。
四作目の「Soul Journey」では、
本人曰く、かなり陽気な音づくりになっているらしいのだけれど、
まだ聴けないでいる。
冷たい風に吹きつけられながら歩いたこの日、
暗く寂しげなこの曲が、なぜだかとても温かく感じられた。
 
リヴァイヴァル
http://www.gillianwelch.com/
 
 

*1:国内盤解説掲載、中川五郎氏の言葉から。