皇帝ペンギン プレミアム・エディション [DVD] パッチギ ! スタンダード・エディション [DVD]
時効警察もね。
 
午後、出かけようと考えていたところ、
明日は飲み会があることを憶い出して、
観れないまま返すことはしないと誓った今年、
変に意気込んで、DVDを観ることにした。
 
まずは、『皇帝ペンギン
映像の美しさ、ペンギンの愛らしさ...ばかりしか、
観る前は気に留めていなかったのだけれど、
写真だけの世界で、かわいいなぁ壮大だなぁと気楽に判断していた
自分のペンギン好きは脆くも壊されそうになった。
なんとはなしに予想はしていたのだけれど、
ペンギンの生態があんなにも驚くべきものだとは知らなかった!
ナレーションでも語られていたけれど、まるで「魔法」のようだ。
そして、生きてゆくことの難しさ...。
命がけで生きてゆく。動物故の苦しみありがたみ。
不思議と、悲喜こもごもの鳴き声、表情に、
その感情がしっかりと現れているように感じられた。
全篇通して添えられた、エミリー・シモンの歌が、
自分にはちょっとあくどく感じられた。好みだからしょうがない。
むしろ、CHARAのイメージソングをエンディングに聴きたかった。
なんだかんだ書いても、ヒナが一斉に歩く様などを観ると、
やっぱりにやけてしまう。
観終えれば、改めてペンギンが好きになり尊敬の念すら抱いてしまう。
だからといって、これからの生き方を改められるような自分でもないのだ...。

皇帝ペンギン

 
晩飯を終えて、だらだらしていたら、
時効警察が始まっていた。先週はおもいっきり忘れていた。
やはり主演の二人を観ているだけで、しあわせになれる。
ポスト『TRICK』の意識が強いとされているこの作品...
それはどうでもいいから、どうか続いて欲しい...。
そんな期待を込めつつ眺めていたら、なんと緒川たまきが出てきた!
この人も変わらないなぁ(涙)
しかも、偏執狂的な役がまたハマっていて好かった。
とにかく、主演の二人の絡みを観ているだけでいいのです...。
美しいから。
 
日付が変わったあたりから、『パッチギ』を観始めた。
井筒監督作品は、『岸和田少年愚連隊 [DVD]』しか観たことがなく、
その印象もすでに薄まりかけていたけれど、そんなことも気に留めず、
初っぱなから、オックスのコンサートのシーンがあって、
加瀬亮(たぶん...)が、野口ヒデトを演じていた。
赤松愛は誰だかわからないし、顔をあまり見せなかったような気がする。
余談だが、最近欧州リーグへ移籍したサッカー日本代表の大黒選手は、
赤松愛を意識しているのではないか...?と考えるのは、
もしかしたら、僕だけだろうか。
あの頃の空気...といっても、まだ生まれてもいない自分にわかるはずもなく、
とにかく置去りにされぬよう追いかけていった。
主演の二人の男性は知らなかったし、
キョンジャ役のヒロインもドラマで名を目にしたことがあるくらいだったが、
結果的には、変に想い込みがなく観れてよかったように憶う。
「血と涙を流さない青春なんてない」とは、誰かが言ったように憶うが、
それに加えて複雑な背景を掲げた熱過ぎる青春映画...。
オダギリさんがここでも怪演していました。
しかも役名が「坂崎」って...(笑)
こんな"近所の兄ちゃん"が自分にもいればなぁ...とうらやましく感じられた。
そう。この映画、悲惨で胸が詰まる場面も多いのだけれど、其処彼処に羨望を抱いた。
もう戻れず叶わないあの時期に...こんなふうに無茶苦茶したかったなぁと。
青春物語は押し並べて、そういった感傷を呼び起こしてくれるものだけれど、
これはさらに突き抜けてゆく。
豪快過ぎる嫌いもあるのだけれど、
そこに監督のメッセージというか性格...本質?が込められているような気がしてならない。
なにせ、デリケートに扱われること必至な「在日」「イムジン河」を、
"逆手にとって"とは言い過ぎだろうけど、歴史の残酷さを踏まえた上で、
青春謳歌の決定打として映画を盛り上げているのだから。
乱暴に書けば、想いの強さ、信じる気持の強さがあれば、
なんだって越えられる。パッチギ!ということである。
このバッチギという題名も、意味を知ったらば、強くて痛くて豪快で好い。
僕は、しっかり泣いて笑いました。壮快。
エンディングの「あの素晴らしい愛をもう一度」はとても好きな曲なので、
なおさら感動が極まりました。
音楽はなるほど、加藤和彦。そういえば、この曲もフォークル名義だったっけ?
ヒロイン役沢尻エリカの序盤抑えめの雰囲気から、徐々に気持が強くなって、
表情豊かになる演技はなかなか見応えがありました。
あと、真木よう子という役者さんの存在感も印象に残った。
一言一言が強い。というか、脇役は皆、濃かったなぁ(笑)
いずれもう一度観たい一本です。