昨夜、仕事納めの慌ただしさを引きずったまま帰宅して、
とりあえず必要なものだけ持って、竹芝桟橋まで。
一晩汽船に揺られて、帰郷した。
帰る場所があるということがいいもんだと想えるようになったのは、
二十歳を過ぎてしばらく経ってからのことだった。
去年もこちらで年を越したことをすっかり忘れている始末で、
それだけなにもせずにぐうたらしていたのだろう。
一風呂浴びた後、遅めの朝御飯。

リアルおふくろの味。
野菜はすべて自家製ときたもんだ。
他人様から見ればごく普通の朝食でしょうが、
男独り暮らしの身にはこういう食事がたまらない。
 
その後は、両親が慌ただしく行交うのを横目に、
早くもだれ始める。こたつで昼寝...。
 
この日の晩飯はすき焼きだった。
家族で飲むビールは美味しい。
喰った喰った。
 
夜になると、風が強く吹いた。
知らない人が聞いたら、颱風でも来たのかと想うんだろうなぁと感じながら、
布団の中で懐かしい気持になる...
いや、島に帰ってまでもこたつで眠ったんだった。
ゆっくり休もうと想った。