今朝は、強い風が戸を叩く音で目が覚めた。
その音は、田舎に住んでいた幼少の頃へと
一瞬懐かしい錯覚に陥らせるほどで、
東京に来てからは珍しいことだった。
立付けの悪いこのアパートらしい話だけれど、
こんな昔の記憶を誘い出されるとは...
なんだか心だけ眠りこけたまま置去りにされた妙な寝起きだった。
 
人も疎らな日曜日の早朝の通りを吹き荒ぶのは、
島の西風ほど強くはなくとも容赦なく冷たい北風か。
N-3Bが欲しいと想った。
十代の頃からいつかは欲しい、いつか買うぞと決めたまま、
もう十数年が過ぎてしまった。
電車内の人いきれや建物内の過剰な暖房を憶うと、
どうにも敬遠してしまうところがあるのだけれど、
冬のポタリングを楽しむ日が来れば...と考えたら、
一着は持っていてもいいかなぁと、ほくそ笑んだ。
ひさびさに古着屋巡りでもしたいなぁ。