「わたしは良心を持っていない。わたしの持っているのは神経ばかりである。」

          芥川龍之介侏儒の言葉 (岩波文庫 緑 70-4)』より。
 
この文章を知ったのは...いつだったろうか。
忘れたというより、憶えていない。
読んだ本は『ことばの花束―岩波文庫の名句365 (岩波文庫別冊)』で、
その文章だけが掲載されていた。なので、元の話自体は未読。
先日、久々に開いてみたところ、また目に留まった。
それ以来、ぶよぶよと、
匂わずとも嫌な腐臭を漂わせるように居残っている。
ただ鬱陶しいなぁ...と想うばかりでもなく、
日頃の悩みや迷いに直面してしまう時には、
そこを札に見立てて、内なる膿を沁み込ませ、
幾つも幾つも浮かべては流してやっている。
もう戻ってくるなよ...と。
河合隼雄が『こころの処方箋 (新潮文庫)』で書いていたように。
"おまじない"のようなものだ。
ちょっと曲解。でもいいじゃない。
それでうまくいくのなら。
あなたもやってごらんなさいよ。