つづき

帰道の夜、誰もいない通りを毎夜と変わらず歩いていたら、
向こうに時代錯誤な格好をした禿頭らしき老人が見えた。
暗い夜道をだんだんと近づくお互い、
その歩みの速さに比べて思考は、
この非日常への対応に追いつかないまま
すれ違い、僕は咄嗟に、「ぬらりひょん」だと見た。
その時代錯誤な老人の格好をした人物らしき存在は、
顔が確かめられる位置から既に、
こちらを凍らせるほどの笑顔を持って、
なにを想うのか、強い調子で頷き続けていた。
その破顔は、明らかにこちらにも向けられていたので、
僕は目を合わせぬように、頭を下げながら、
"俺はうまく笑えているか 俺の笑顔は卑屈じゃないか"どうかなど
気にする余裕も無く、やっつけの笑顔を持って、
その場をやり過ごした。
Uhh... Don't Look Back...