どうせまた 止められないんだろ
書くんだろ そうなんだろ

しがない書店員が手に取った気になる本たち

 

東京飄然

東京飄然

「飄然」とは辞書を引いてみれば、
"特に目的・用件もなくふらりとやって来たり、立ち去ったりする様子"...ひょ。
友部正人の呪詛から逃れるべく、飄然と旅に出る決意をした(しかも日帰り)、
普通でない41歳男性の随筆集。
会話体のない文章が続いても、ずんずん引き込まれて面白い。
むしろそちらの方が面白い...やはり凄いよなぁ。
僕は、INU町田町蔵を先に知った人間なので、
スキンヘッドに革ジャン纏って、眼をぎらつかせ毒づいていた男の書く文章が、
こんなにもお茶目で、どこか滑稽で、
独特のリズムを持って、笑いを誘うものだとは想いもしなかった。
JOJO広重氏が、「彼は浪曲とか漫才とか漫談とかから強い影響を受けていて、
人前でなにかするという意味で、当時はたまたまパンクだったというだけでしょう」と
発言していたのを目にして憶えているけれど、
今の文筆業から受ける印象からすると、とても納得できる。
本の造りも凝っていて、素敵です。
それはそうと、過去に「はなまるカフェ」に出ていたのを
偶然、目にした時はなんだか衝撃的だったな...(笑)
 
此処 彼処 (ここ かしこ)

此処 彼処 (ここ かしこ)

日経新聞日曜版の連載をまとめたもの。
 「具体的な場所の名を示す、ということは、つまり、
  私個人のことをはっきりと書くことだということを、
  この仕事によって教わった。」
なるほどなぁ、と。
もう文章のふしぶしが好きなんです。
もちろん題名も本の装幀も好い感じです。

日経ブックダイレクト

 

夢みるピーターの七つの冒険 (中公文庫)

夢みるピーターの七つの冒険 (中公文庫)

"現代イギリス小説界を代表する作家の一人"だそうです。
「子供と、
 子供だった
 すべてのひとに。」
こういう売り文句に弱い...しかも、解説に角田光代
 「もちろん、いっしょになるというのも、場合によってはいいことです。
  でも、みんな、いっしょになってばかりじゃないでしょうか。
  みんな、こんなにいつもいっしょになったり、
  ひとをいっしょにさせたりばかりしていないで、
  毎日すこしの時間でもひとりですごし、
  自分がいったいだれなのかとか、
  自分はいったいどんな人間になれるのだろうかとか、
  思い出すようにすればいいのにとピーターは思いました。
  そうすれば、世界はもっとしあわせな場所になり、
  戦争なんか起こらずにすむかもしれないのにと。」 (本文より。)
 
白いプラスティックのフォーク―食は自分を作ったか

白いプラスティックのフォーク―食は自分を作ったか

装幀はクラフト・エヴィング商會のふたりで、
クレジットがそれぞれの名前で記されていた。
裏表紙に"ポッキー"という文字を見つけて、面白そうだからそれだけ読んでみた。
読後感がとても爽やかな...なんだか懐かしい気分が込み上げて来た。
初めてこの人の文章を読んだけれども、好きになりそうだなぁ。
執拗に、「僕」と書くところとかも、なんだか惹かれた。
未読のままの勝手な印象としては、旧き良きアメリカを匂わせる作家だったっけ。
 
ひろい世界のかたすみで

ひろい世界のかたすみで

"橋本治さんが、過去7年間にさまざまな媒体に書いた膨大なエッセイと評論をまとめた1冊。
長い文章から2枚ほどのショートエッセイまで、橋本治さんの芸が楽しめるとともに、
幅広いジャンルを一望できるとっておきの1冊です。"
背表紙に、"「バカか、お前はー」という視線に、私は慣れている"とあった。
"生きることは、書くこと。"とも...。
 
さまよえる天使

さまよえる天使

"伝説の作家、待望の新作"とあって、どんな伝説なんだろうと気になった。
"人間でありながら、生命活動のスピードが極端に遅く、
長い間を生き延びる長命人たちの伝説。
奔放な発想と緻密な構成力を駆使し、連作形式で描く、幻想文学の精華。 "
日本SF大賞受賞作家。
 
MOJA モダンアートオブジャパン

MOJA モダンアートオブジャパン

素敵な日の丸(仮)ですな。
やはり、海外で人気があるとなると、マンガ、アニメーション作家が強いのですね。
でも、たまたまそのフィールドだったというだけで、
"アート"という視野で考えてみると、そんなボーダーは関係ないのでは?という
雰囲気が良いのだか悪いのだか...僕は感動できればなんでもいいです!(壊)
LPサイズの丸い解説書が、『No New York』を憶い出させて好感。

「G.B.の本」

 

カゴでもなく、籠でもなく、"かご"。ひらがなのやわらかさ。
毎日、かごを持って歩いている素敵なおばあさんを知っています。
白い器...が、贅沢だなぁと感じてしまうのは、なぜだろう...。

柏高島屋ステーションモール|SHOP NEWS:NATURAL KITCHEN

 

KYOのお言葉

KYOのお言葉

ツレのための京都ごはん案内ガイドブック

ツレのための京都ごはん案内ガイドブック

京都に関する本を二冊...。
前者は、
"気鋭の京都ネイティヴが、世界で一番難解(?)な
「京言葉」を解き明かす最新エッセイ。"
基本は、「よろし、ややこし、ほんまに、よう知らんけど」だそうです?
"かんかんにならんときよし"って好いなぁと想いました。
時々、呪文みたいに口ずさもうかな。
後者は、以前出た『ツレのための京都案内ガイドブック』シリーズ続編。
赤飯まんじゅう、カネール、栗おはぎなどなど、
あぁ喰らいたいものばかり...(なんだか甘味ばかりだな。)
死ぬ前に一度でいいから泊まりたい京都の宿。
前作同様、大きな帯に素敵な紋様が隠れております。
 
五輪書―サムライたちへ

五輪書―サムライたちへ

史書の棚で、異彩を放つこの本の美しさ。
ピエ・ブックスが出すと、五輪書もこうなります!
どこか悟りの佇まいを想わせる写真が多数。
 "手作りのお人形とぬいぐるみの本。
素朴な女の子ドールから、くたっとした動物ドールまで、
大切なひとへの贈り物にもぴったりの、なごみ系ドールがいっぱい。
紹介作品の作り方と型紙つき。とじ込み付録は「おざきえみさんのドール絵本」。"
もう"おっさん"扱いされてもしょうがない草臥れ男ですが、
すこしだけ...部屋いっぱいに大小様々なぬいぐるみに囲まれて、
日々を過ごしてみたいと、夢想することがあります...すこしだけ。
それは、踏み越えてはいけない、禁断の味のような気もします。
夢想は夢想のままに留めておくからこそ、素晴らしいのだから...。
 
AERA DESIGN 「ニッポンのデザイナー100人」

AERA DESIGN 「ニッポンのデザイナー100人」

"世界が注目する“ニッポンデザイン”の全貌を掌握する、永久保存版デザイナーズ名鑑!"
けっこう問い合わせが多かった、AERAのムック。色々出てますね〜。
デザイナーという視点から、企業も含めて幅広く集めています。
藤原ヒロシ日比野克彦が隣り合っているところとか、面白かったです。

OPENDOORS:別冊・ムック:ニッポンのデザイナー100人

 

鈴井貴之編集長 大泉洋

鈴井貴之編集長 大泉洋

知人から、面白いと薦められていたけど未見の、『水曜どうでしょう
この"大泉洋"も同様にまったく知らぬもので、
見た目からでは、なにがそれほどアピールしているのか首を傾げていたのですが、
先日、テレビでマチャミを連れ立って、北海道を案内する番組?を、
偶々観ることがあり、喋りの面白さに加えてクレバーな笑いのセンスを感じました。
知る人曰く、"道民的英雄"だそうです。
ここ東京の一書店でも、とても売れております...。
 
バカポジティブ

バカポジティブ

関根さんが番組中によく行うモノマネを、僕は笑うことができないのですが、
席を共にする出演者の爆笑ぶりを観ると、
「あぁこの人は愛されているんだなぁ」と、感じられます。
もう52歳なんですね...関根勤というジャンルすら確立したかのように想える、
その独特な佇まいは職人の風格すら漂います。タモさんをよろしく頼みます...。
 
大人の女力検定

大人の女力検定

どこからどう見られても、男性の自分ですが、
その乙女心を持って挑戦しようかと意気込んでおりましたが、
時間が無くてできませんでした。
大人力検定』の姉妹版。
 
僕が六本木に会社をつくるまで

僕が六本木に会社をつくるまで

いよおっ!社長!本出しちゃいましたか!
実は、このしがない書店員、このヒルズ族の一端を担う(?)
若社長と高校の同級生でありまして、
過去には飲みにいったりしたこともありましたっけ。
その当時から成績優秀で、妙なビジネス本なども読んでおりましたが、
あれよあれよとこんなところまで登り詰めてしまいました。
これからも頑張ってください!
草葉の陰から...もとい、陰ながら応援しております。
ちなみにウチの書店では藤田晋本の隣に置いてますんで。
 
 

(略式)

木の匙 大橋歩コレクション8 おいしい毎日 (大橋歩コレクション (8)) 子どもの話にどんな返事をしてますか? ―親がこう答えれば、子どもは自分で考えはじめる モンティ・パイソン正伝