Longpigs / Sun Is Often Out & Mobile Home

 
Sun Is Often Out
 
あれからもう十年近く経つんだなぁ...。
"あと10年たったらなんでもできそうな気がするって"
やっぱりなにもできなかったよ。
そんな気がする。
 
あんなに好きだったのに、埋もれてしまっていた。
なぜだか、ふと、憶い出した。
ここのところ、こんなことがやたらと多い。
なんだか不安にもなるさ...。
あっちへ連れてかれるんじゃないかとか。
 
埋もれかけてた私的大名盤は、
よくRADIOHEADと並べられるか、もしくは、
フォロワーだとか、ひどいとパクリ扱いされてたらしい。
当時はどちらも凄く好きで、夢中になって聴いていたから、
そんな雑音雑言はまったく目に入らなかったのかもしれない。
今じゃあこちとらもうどれくらいの人が憶えてるんだか...。
気になって、amazonのレビューなんかを読んだら、
たくさんの人の心に深く刻まれていたことを知り、
胸が熱くなった。素直に嬉しい。僕もそう想う。
 
当時聴いていた時には、わかっていなかったけど、
多分そこに惹かれていたんだろうと想うこと。
こんなにもこの世のものとは想えない
歌い方をして、メロディーを奏でてしまう人は、
あらゆる意味で長続きしないんじゃないかと。
今では、そんな下世話な妄想がこびりついて離れない。
上昇と下降、美しい揺らぎ、儚さに切実さ(またかよ...。)
そして、もうひとつ。
凄く好きな音盤に出逢ってしまった後、
その作品に続くものを、なかなか聴く気になれない理由が、
この音盤を久しぶりに聴きながら、はっきりした。
今までもぼんやりとはわかっていたことだけども、
十年近く経って、ようやくはっきりとした。
音楽にまで裏切られたくないから、だろう。
 
Mobile Home
 
それらを無意識に引きずり、その存在を亡きものとしていた、
2ndアルバムを聴いた。
先に書いたことを、似たような状況で
いかに克服してきたかといえば、
自棄になって聴いてみたり、
緊張しながら大いなる賭けで聴いてみたり。
そんなふうに過ごしてきた。
たかが音楽、されど音楽。
 
3曲目の「Gangstars」。
想わずにやけてしまった。そして泣きそうになった。
未知の懐かしさを感じてみれば、
脆くも透けてしまいそうなまま、輝いている。
歌の格好をした祈りにも似た、そんな響きが見えた気がした。
まぁね...やっぱりついていけないこともあるさ。
受けとめきれないし、置いてけぼりにもされる。
それでも、死んじゃったり消えてしまうよりはマシだ。
すべてを肯定する訳ではないけれど、これはこれで好かった。
それにまだまだつきあっていけそうだから。
 
今年も半分終わりましたね。
夏がやってきます。
やはり、わかったようなわからないような...。