ふだんは休みだからか、一日だるかった。
皆が言う、頭痛とはどの程度のものなのか...
この、鼻炎と同じくらい長くつきまとう鈍痛も、
皆の言う、頭痛というやつなのだろうか。
なんだかもう、ずいぶん前からどうでもよくなったことが、
慣れない一日の微妙に狂ったリズムのせいで、
ちらちら翳めてしまう。
 
今現在一番美しいと想う罪作りな女性に久々に逢った。
嬉しい言葉をかけられる。その気になりそうだ。
 
ある店先のレジに立っていた女性は、
まるでアンティークのビスクドールの様に美しかった。
おおげさではなく。
雑多な飲食料品に囲まれているために、余計に異質であった気がした。
指先には絆創膏が巻かれていた。
それもまた、不思議と素敵な飾りに憶えた。
甘く気怠い声であることを願ったが、そうはうまくいかなかった。
 
夜、レジに入っていたら、客の女性が自分を指差すのでなにかと想えば、
昔、バイトをしていたKさんであった。
もう就職していて、仕事の都合でよくここいらに来るらしい。
その場では、名前を憶い出せなかった。
少し可愛いなぁと想っていた人であったのに。