復讐者に憐れみを デラックス版 [DVD]*1
JSA [DVD]』で有名なパク・チャヌク監督による、<復讐3部作>の一作目らしい。
ちなみに、二作目は『オールドボーイ』。*2
ソン・ガンホ出演作は観ておきたいというのと、
ぺ・ドゥナが出ているからという理由で借りたのだけれど...。
これは、痛すぎた。
ソン・ガンホの見違えるようなやせっぷりには驚かされたし、
ぺ・ドゥナも体当たりのベッドシーンに唖然とさせられたけれど、
それ以上に、「痛い」ことばかりが残る映画で...。
ソン・ガンホもインタビューで告白していたように、
断り続けようやく四度目のオファーで出演を決めたことや、
当然のように興行的には大失敗だったことなども、
この作品を物語るエピソードとなっていて興味深い。
なぜこんなにも「痛い」のかといえば、
たぶん今までに感じたことがないような、
できれば想像したくないのに突きつけられるリアリティが、
充ち満ちた作品だったからかもしれない。
そこらへんの"恐い映画"よりも、ものすごくおっかない。
ホラー的でトラウマになるようなシーンもあれば、
こちらの体にまで痛みが走りそうな残酷なシーンもある。
邦題の『〜憐れみを』というのは、これまた良く出来ていて、
やり場のないそれぞれの苦しみや痛みの暴走が起こした復讐劇を、
観終えた者の気分として的確に言い得てる気がした。
過去に、北野武監督が、
自分の映画で観た者を暴力に走らせてしまうような危機感はないか?と
インタビューされていたような記憶があるが、
監督は、
「大丈夫だよ。オレの映画は本当の痛みが伝わるから。」と
答えていたことを憶い出した。