頼まれた本を探しに

駅前のBOへ。
先日、父が上京した際に訪れ棚で見かけたという、
旺文社文庫万葉集上巻がまだあれば買っておいてくれという依頼。
人に頼まれた本を探すのは楽しい。
すぐに見つかることもあれば、未だに見つけられない本もある。
バイトでその日暮らしをしていた頃には、
レコ屋や古本屋巡りをしながら、
「あなたのお探し物を見つけます!」なんて職業もいいかもなぁなんて、
無知故のひどく浅はかな願望もあったけれど、
副業として成り立つなら(笑)、未だにやってみたい気持もある...。
父に頼まれた本がどの棚にあるかと検討をつけてみると、
旺文社文庫ってことは、状態もそれなりに草臥れているだろうから、
だいたいは百均棚に並ぶだろうし、実用か時代小説あたりだろうと、
見始めると雑学系の向かいになった時代小説の百均棚にあった。
さすがに浮いていたし(笑)
結局、自分では何も買わずに帰った。
チェーン系古書店でバイトしていた過去、
まだ、今のように復刊されていない時期の話、
内田百間旺文社文庫作品をほぼ揃って、買取った。
半額でも売れると想いますよと、言ってはみたけれど、
状態優先が基本方針なので、百均棚に並べた。
気にはしていたけれど、どのような客が買っていったか見届けられるぬまま、
その日のうちに買われていったと憶う。
驚いたことにその後日、ひとりの中年男性客が、
旺文社文庫内田百間ってありますか?」と問うてきたのだ。
おそらくこれは偶然ではないだろう。
その当時は、とても驚いたものだけれど、
よくよく考えてみれば、どこぞの好事家が、
ネットでこの店で見かけた云々なんて書いたのかもしれない。
ことの一部始終を知っていた自分は、わざわざ脚を運んでくれた客に、
知った風に申し訳なさそうな対応をした。
かく言う僕も、
既に廃盤状態になった渚にての1stのCDを血眼になって探していた日々、
当時のファンサイト管理人のタコシェにあるという書き込みを信じて駆けつけたところ、
店頭には出ていなかったでがっかりしていたところに、
店員さんがストックにありました!と持ち出してきてくれたという奇跡的な経験をしたことがある。
口コミはバカにできない。