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「おい、こいつを聞いてみろよ。
何か特別なものを経験したいんだろ」
キース・リチャーズ
「おれと悪魔と」*1 "Me And The Devil Blues"
今朝早く、おまえがドアを叩いた時に
今朝早く、おまえがドアを叩いた時に
おれは言った、 「やあ悪魔、出かける時間だね」
おれと悪魔は並んで歩いた
おれと悪魔は並んで歩いた
おれの女を気のすむまでなぐりたい
部屋の灯を落として、息がかかるくらいに大きな音で...。
村八分やDEWに夢中で、日本ロック黎明期を聴き齧っていた頃に、
友人に薦められて、ロバート・ジョンソンを初めて聴いた時の話。
その時代性による音質の悪さも手伝い、
とても独りで弾いているとは想えないギターと、
密かな葛藤も窺える歌詞とは遠い、
なにかが取り憑いたように饒舌な歌声に、
悪魔が寄り添っているような光景を夢想してしまう。
信じた者にこそ映る、剥き出しの音景。
*1:訳 : 三井徹