もう何年前のことか忘れてしまったけれど、
寒い冬の日だったことは憶えている。
このジャケットと『Alone With Everybody』というタイトルに惹かれて、
さらには店員の気の利いたコメントにも押され、
中古ながらも久々の"ジャケ買い"となった。
憶えば、これより後にこれ以上の「あたり」は...、未だにない。
ジャケットと音響とがこれほど通じあうアーティストも、
なかなかいるものではないだろう。
 
Songs for a Barred Wire Fence Navigators Yard Signal Hill
Morning Lake Forever Way I Am Sick This River Only Brings Poison*1
 
誤解を恐れずに言えば、
その後の彼等には、
あの一枚での煌めきは感じられない。
なぞるようにゆっくりと下降線を辿ってゆく。
離れられないこと取り戻せないことを悟った上で、
だらだらと終末に向かいながら、
生んでは壊しながらも楽しもうとばかりの音が
溢れているように聴こえてくる。
失ってしまったあの頃の煌めきはどうしても過るのだけれど、
もう苦しむこともなくなったさ。
追いかけることもやめたんだ。
そんなことをしなくても、
僕等のなかでいつだって響いているし
いつまでも拭いきれないだろう。
だから続けてゆくのさ。
 


Photo taken from wintersong - a film on dakota suite
 
||| painted sky discs ||| dakota suite |||

*1:All Photo by Johanna Hooson