六畳間に、布団替わりのマットレスホットカーペット、仮こたつ、
そして積ん読された本たち...。
足の踏場もそうない男独り暮らしの部屋では、
流石に大人二人が横になるには厳しいものがあった...。
それでも、冷込みが緩んだこともあり、
両親はそれほど苦にする素振りも無く、過ごしていた。
 
「子供は、幾つになっても、
 親にとっては子供なんですよ。」
という言葉は、どこかで目にしたこともあるし、
実際に親から聞かされたこともある。
過去には、疎ましく憶えたこともあるけれど、
今では、限度があるにしても、幾つもの小言を受けとめて、
そのように直してみることができるようになった。
そして、だいたいにおいては、
直した方が良いことばかりなのだ...。