Snuff!!!


Kilburn National 27/11/90
十年一昔とよく言うけれど、
それよりもう少しだけ前、でもまぁそのあたりか...。
行く先頼みの綱の部活では、やっかいな肉離れを起こして、
重要な冬期の練習を棒に振り、
勉強においては、もう取返しのつかないところまで、
堕落しきっていた、高校三年生の一頁。
そのような悲惨な現実を捉えきれず逃げてばかりで、
だらしなく過ごしていた...のかどうかすら、
すっかり忘れてしまったけれど、
夢中になっていた様々な音楽は忘れもしない。
その頃、「Kurt Cobain」が自殺したというニュースを、
クラスメートが持って来ていた朝刊スポーツ紙で知ったが、
なによりスポーツ紙に掲載されていたことが驚いた。
Nirvanaに関しては、ハードロックという冠を敬遠していたけれど、
聴いてみればメロディもあって乾いたポップさを持った、
ハードな音のロックだったから、馴染むことが出来た。
そして、後にOzzy Osbourneも雑誌のインタビューで
同じく語っていたので嬉しくなったけれど、
なによりもしゃがれた声がとても澄んでいてきれいだった。
まるでジャニスのような歌い方をする人だ...と憶っていた。
ただ、僕にとってその当時、音楽は音楽だった。
だから、その後湧出たNirvana信仰者や心酔者になることもなかったし、
事の重要性云々というものにもまったく興味は持たなかった。
では、なにに夢中になっていたかといえば、
「Snuff」という、今ではもうあまり見聞きすることも少なくなった
メロコア」というジャンルの代表格であると認識されている英国のバンドだった。
あまり他人から知らされるバンドで好いものは正直無かったのだけれど、
これはどうやって辿り着いたのかも記憶があやふやだが、
とにかくとてもかっこよかった。
その当時、第一期のSnuffは解散していて、国内盤CDも廃盤になっており、
とにかく聴けるものならばと、血眼になって探したものだった。
その当時やその後にアメリカで同類に括られるバンドがよくあったけれど、
聴いてみれば、なにかが根本的に違っていて馴染むことは無かった。
ハイスタも既に活動していたけれど、「Snuffのパクリじゃん!?」と*1
まったく聴く耳を持たなかった。
なにがそれほどまでに夢中にさせたかと憶い出してみれば、
Snuffはその激しい演奏のなかで、
メロディと歌に他では感じられない哀愁が漂っていた。
スピードに乗って響いて来るその心地好さがたまらなかった。
聴いている時にはメロコアだなんて微塵も感じずに聴いていたから、
後々メロコア云々で聴いたバンドにもピンとこなかったのかもしれない。
むしろ、スタイルは違えどもその後の影響力など重ねてみても、
Nirvanaなどと並んで語られた方が... というのは、ちょっと大袈裟か(笑)
このバンドはカヴァーが多いところも魅力のひとつで、
Specials,Simon & Gafunkel,ジミヘンから、
ティファニーや、日本の童謡「かたつむり」まで...(笑)。
曲が好ければなんでもいいんじゃない?というようなメッセージを、
僕はたぶんこのバンドから最初に感じ取ったと憶う。
ハイスタもリスペクトしていたのはこのようなところではないのだろうか。
ジャケットの写真は、モッズの集まりにしか見えないが、
彼等のルーツにあるらしいことをどこかで読んだ気もするけれど、
僕が胸焦がした初期の3枚+上記のライヴ盤を聴いた限りでは、
あまり音には出ていないような気がする。
 

再発CDから。

一番おすすめできるのは、上記のライヴ盤です。
選曲もベスト的な内容です。

Snuff Said

Snuff Said

Flibbidydibbidydob

Flibbidydibbidydob

Reach

Reach

 
とりとめもなく書き連ねて来たけれど、
この日、憶い出して何度か聴いていた。
ぐだぐだ言ってないで、飛ばして行こうぜと。
僕はあの頃の自分へと偉そうに言えることが、
未だなにひとつ持てないでいる。
当時の僕が、今の自分を見たら、
"父ちゃん情けなくて涙でてくらぁ"しねぇだろう。
それでも、今はあっというまに過去になっていくのです。
想い出をかき集めて、生き繋いでいくのも悪くはない...か?
Life Goes On,Live Young!
 
 

*1:若気の至りですね...。