最近聴いた音盤から、特に好かったものを。

In the Reins

In the Reins

まさに夢の顔合わせ!!!
一曲目から、いつもの砂埃舞う荒野の音景が浮かぶと共に、
なんだか哀愁漂う星空まで広がって来た。
そして、Sam Beamのあの歌声...。
期待以上の素晴らしさ。全曲好いです。
Calexicoだと、どっぷり浸って気づかなかったけど、
John ConvertinoのDrumsは面白いよなぁ。
 

Shack / Zilch (ジルチ(紙))←なんですかこれ?

ジルチ(紙)
元「The Pale Fountains」という冠が当事者には重たいらしいが、
その歌声に名残や青春の残骸を確かめることで、
聴き手が仄かな嬉しさを心に宿すことができるのならば、
才能故の苦しみだろうが、素晴らしいことなのではないでしょうか。
Shackの1stがボーナストラックを加えて国内盤初登場。

excellent.records

解説にも書かれていたけれど、
その後のShackを憶うと、これはまるでPale Fountainsの3rdの様だった。
もちろん、当時の彼等とは切っても切れない"青春"という二文字を想起させる
瑞々しい歌声やせつないメロディは健在で、とても好いのだけれども、
新作を出すにつれて、全体的に翳りや憂いを帯びてくるのが、
ここでも確かめることができてじんわりと感動した。
やっぱり名曲揃いでした。
 HMS Fable
その『Zilch』が1988年、
1991年に制作されてレーベル倒産などで陽の目をみたのが
1995年の一皮むけた2nd『Waterpistol』(ジャケもタイトルも最高!)後、
1999年音楽誌等でも絶賛されたこれまた傑作の『HMS Fable』を経て、
一昨年、最新作が出ていたことをつい先日知ったのであった...。

Here's Tom With the Weather

Here's Tom With the Weather

1stから続けて聴いたりすると、その燻ったままの蒼さがまた心地好い。
だんだんと沈んでゆきながらも、ゆっくり顔を出し息継ぎをして醒める。
人間はそう変われるものではないのだろうけれど、
変わろうとする意志はけして無駄にはならない。
そう足掻いているのかどうかはさておき、
これまた大人になった音色がたまらない傑作です。
今ならもう、Pale Fountainsよりも好きだと言っても、
過言ではないような気がする。
"Arthur Lee Children"代表として(笑)、頑張ってほしい。
次の作品を気長に待っております。
 
THE MILK EYED MENDER

THE MILK EYED MENDER

こりゃあすごいです。たまげた。
P-VINEから国内盤も出ています。
Devendra Banhart目当てで探していたら目についたので、
おまけで(失礼)聴いてみたのだけれど、素敵です。
帯に「信じてほしい。これは魔法である。」と書かれているけれど、
魔法と言うより麻薬的な中毒性、依存症的魅力のあるアーティスト。
下世話なことを書けば、YUKIbjorkから、
Erica Pomerance*1,Karen Dalton*2といったStrange Folkieや、
それこそ近所の歌うことが好きな女の子...まで想起させる、
濃すぎる歌にハープの弾き語りという、聴き手を選ぶかもしれないけれど、
好きな人にはたまらない奇跡の一枚。
どこか計算されたかのように感じつつも心地よく響く
ハープやそれを包むアレンジの上を
天衣無縫に流れるすべてを知ってしまった上での無垢さ...などと書きつつも、
そんなことはどうでもよろしくってよ。素敵だ。可愛いし(笑)
また相変わらず聴いたタイミングの悪さに辟易しておりまして...
SMOGと一緒に来日していた...!*3
SMOGが来日することは知っていたけれど、同行して来るのが知らない名前...くらいで、
見過ごしてしまった。タイミング悪すぎるなぁ。
しかも、ライブビートに出ることもすっかり忘れていた。
まぁ置き去りにされることには慣れているから...。
しばらく聴き浸りそう。