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Big Star / Big Star Third
"正しくリリースされたことが一度もない"アルバム。
"Third"も"Sister Lovers"も、結局は通称であるらしい。
Big Star名義での3枚目にして、ラストアルバム。
実質は、アレックス・チルトンのソロの様な作品。
名曲が多いこのアルバムのなかで、僕が一番好きな曲は、
おそらく世間的には小品として扱われてはいるが、
『With Ghost』でもカヴァーされた、
「Blue Moon」
曲によって、表情を変えるチルトンのヴォーカル。
この曲では、「Holocaust」とはまた別の美しさを持った、
胸が締めつけられるようなせつない響きを感じる。
そして、恥ずかしいくらいのナイーヴでロマンチックな詩。
2分と数秒のとても短い曲だけど、何度聴いたことか。
よくこのアルバムは、頽廃的な魅力云々と言われてきて、
自分もそれを否定する気はないが、
こんなに胸がいっぱいになる、
美しい"LoveSong"があることも
忘れないでほしい。
Blue Moon (Alex Chilton) (訳:伊藤英嗣)*1
Let me be your one light
And if you'd like a true heart
Take the time to show you're mine
And I'll be a blue moon in the dark
While you sleep, you'll see me there
Clouds race across the sky
Close your eyes and don't ask why
And I'll be a blue moon in your eyes
Morning comes and sleeping's done
Birds sing outside
If demons come while you're under
I'll be a blue moon in the sky
君のための一筋の光にならせておくれ
誠実な心がお望みなら
時間をかけて君が僕のものだと証明してみせてくれ
そうしたら僕は暗闇を照らす青い月になろう
まどろみの中でも君のそばに僕がいるのがわかるだろ
そよ風に乗って雲が空を横切る
目を閉じて、理由は聞かないで
そうすれば君の目の中で僕は青い月になる
朝が訪れて眠りは明け
外では鳥が歌う
君が下界にいる間に悪魔が現れたなら
僕は青い月になって空から見守ろう
この曲を教えてくれた高橋さんと、愛しいひとに捧げます...(苦笑)
高橋さん...今はどこでなにをしているんだろう...。
いつかどこかで逢えたなら、びびらないで声かけよう。
*1:部分的に自分で意訳しております。