ウィリアム・バシンスキー『ディスインテグレーション・ル−プ 1.1』


 
かつてない一時間を過ごした。
途方に暮れて、溜息ばかり。
この"作品"について自分が書けることを考えた。
 
あの日にも、やっぱり夜は訪れて...。
たったそれだけのことでも、考えさせられてしまう。
観ている者を追いつめるかもしれないし、
なにかを目覚めさせるかもしれないし、
途中で消されてしまうのかもしれない。
僕は、どれでもなかった。
ひどく曖昧に。
 
紛うことなき現実を映しているのに、
何処か架空の世界を観ている気になるのは、
これが芸術だって言うからか。
それだけ自分が遠くにいたからか。
文字通り、loopする音の美しさゆえか。
忘れることはできない崩壊音輪と、
果てしなく蝕み続ける黒煙に、
未だ、置き去りにされたまま。
 
 
 
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