disc of the month


 

曽我部恵一BAND / 『曽我部恵一BAND』(ROSE 129/CD ALBUM)

噂は目にしていたけれど、期待を大きく裏切る作品。もちろん良い方向へ…
まだ、このセルフタイトルの3rdアルバムにある歌や音から感じられる
覚悟や熱量、想いや叫びを受けとめきれてない。
それでもこれは傑作だと言い切れる…
バンドはよく"いきもの"だと喩えられることがあるけれど、
1st〜2ndが10代だとしたら、この3rdで20代になったという気がする。
乱暴な喩えだろうけど、自分ではしっくりきている。
ソカバンが放っていた全力感…そのエナジーを引き継いだまま、
表現力は拡散していった。そうせざるを得なかった。
正直、重たいアルバムだ…でもそれが真心と本気が詰め込まれている証だ。
聴き重ねていくうちにマンネリ化して、記号化されていく音が溢れているご時世に、
もうやり尽くされたスタイルで、再び聴き手に感動を呼び起こし塗り替えてしまう。
そんなアーティストはなかなかいない…って、
結局、一ファンの戯言に過ぎないんだろうけど、かなり熱くしてもらったし、
この作品に呼応できる感性を持って、自分も頑張りたいと感じたよ。
それすらも、もう希有で貴重なんじゃないかと想うから。
 

曽我部恵一BAND

曽我部恵一BAND