うめめ
 
憶い出し笑いをしている。
先週新宿で、立ち読みして人目を気にせず笑ってから、
これを書いている今でも。
あんな風景を無意識のうちに探している自分。
無意識にだった。
今夜は、電車のドアのガラス越しに、小指を骨折でもしたのか、
包帯でぐるぐる巻きにされた中年サラリーマンが、
窮屈そうにその指先だけをこちらに向けてガラスに押し当てて、
ゆびきりげんまんを迫るようなその姿は、
なんだかとても"うめめ"的であった。
気づけば、ちょこちょこうめめに救われている。
やっぱりこれは奇跡の類いだと想いたくなる。
三十路の半人前を勘違いさせるほどの写真の魔法。
そのユーモアは、最高にくだらなく、最高に美しい。
うめめめ〜!みたいな。
頼むからここにまで技術や評論だとかを持ち込まないでくれ。
でも、ご存知... 木村伊兵衛賞受賞作。
 
リトルモア - 梅佳代 うめめ
ほぼ日刊イトイ新聞 - うめかよ参上!