アンテナ スペシャル・エディション [DVD]
*1

田口ランディ原作の話題作を、「鬼畜大宴会」「空の穴」に続く3作目として若き鬼才・熊切和嘉監督がメガホンを取り映画化。ストーリー:大学で哲学を専攻する主人公・荻原祐一郎(加瀬亮)は15年前に失踪した妹・真利江について、自分はなにかを目撃していたのではないか、という罪悪感にさいなまれている。心を閉ざして自分を守ってきた祐一郎が、S&Mの女王ナオミ(小林明実)と出会うことで、“アンテナ”(=真実を感じ取る力)を得、封印してきた複雑な家族との問題に向かい合う姿が描かれている。

 
正直、この「“アンテナ”(=真実を感じ取る力)を得、」って肝心なとこが、
把握できなかったり、感じ入れなかった気がするんだけれど、
たとえば、『CURE キュア [DVD]』で受けたわからないものへの漠然とした恐怖や、
リング [DVD]』のような目にしてはいけないものへの恐怖をところどころで感じた。
映像的にも、伝統的な日本の家の中にある"闇"が美しく描かれていたように憶う。
原作を未読なもので、女王様との関係がどうにもこじつけっぽくてしっくり来なかったんだよなぁ...。
 
あの!ASIN:B0000677QJ*2の監督が有名な原作を映画化って、
どんな感じになるんだろう?って恐いもの観たさだったんだけど、
先にも書いたけど「美しい」って印象が多くて意外だった(笑)
加瀬亮は、こういうナイーブで奥深い雰囲気のある役をやらせたら、
やっぱりはまりますねぇ。
しかし痛いシーンが多かったなぁ。
自分は、表面的には気分や相手次第でSかMかどちらでも...って感じだけれど、
潜在的には絶対Mではないとこの映画を観て感じた。
そういう解釈する作品じゃないんだろうけど(苦笑)
ただああやって痛めつけられることで救われる人もいるんだもんなぁ実際。
ラストシーンは、ちょっと胸が熱くなった。
これも原作とはどういう位置づけになっているのかわからないけれど、
光=希望っていう人間の根源的な感覚みたいなものを、
凄くアヴァンギャルドな方法で描いているように感じた。
これは自分勝手な想い込みなんですけど(笑)
ただ、あぁわけわかんないけどここで終わってくれたらいいのに...って、
じぃんときてたところだったんで、終わりよければすべて良しくらいな(笑)
ある意味、ホラー映画ですよ!途中までほんと恐かったもん。
主要なメッセージを受けとめられなかったことは、勉強不足だよなぁ。
感動不足か?