Lou Reed, John Cale & Nico / Femme Fetale

from Live at Le Bataclan 1972

ブートでは同内容ながら名を変えて多種出まわっていたようだけれど、*1
2003年、ようやくオフィシャル盤としてリリースされた、
伝説のパリ1972年1月29日の録音。
この動画の出自はおそらく当時放送されたというフランスのテレビからだろうけれど、
モノクロで白みがかった映像は、
伝説の名にふさわしい神秘的な雰囲気も感じられる。
このCDでは、VUの曲はもちろん、ソロでの代表曲も披露されていて、
ギターやピアノ、ヴィオラの簡素なバッキングにも関わらず、
やはり役者が違うというか、削ぎ落としても余計に美しい。
"Heroin"や"Frozen Warnings"なんて鳥肌ものだもんなぁ。
Nicoは、ひどい咳をしているのがとても印象的で、
彼女の闇とか暗黒といった、つきまとうイメエジを過らせる、
ちょっとしたエピソードのような気がしたけれど、
歌の方はやはり唯一無二であり気高く響いている。
そして本作のハイライトでもあり、
その後二度と叶うことのない、この3人での「宿命の女」。
この場では様々なしがらみを解き放ち音楽に向かう姿も相俟って、
Nicoの歌を受けた男性二人のコーラスを聴くと、
なんだか胸に熱いものがこみ上げてくる。
 
Bataclan 72 (通常版)
大鷹俊一先生の解説付きで国内盤『バタクラーン72』も出ています。
 
 

*1:自分もご多分に漏れず持っていましたが...。