これだけ遠くまで来れば、もう大丈夫だろう...
うさぎの皮を被った三十路間近の気分は中学生♂は、
一息ついて過日のあれこれに憶いを巡らせました。
 
皆様は、顔文字はお好きでしょうか?
僕はといえば、それはもう、
寺山修司が町に溢れ返る名もなき落書きを愛したように、
顔文字求めて三千里...新たな顔文字に出逢うべく、
ウルルンウルルン彷徨を繰り返すのであります。
一言付け加えておくのならば、
顔文字は世界の共通言語だ!顔文字は芸術だ!
さて、戯言はこれくらいにしまして...
世間に溢れ返る顔文字群の中でも、僕が最も愛おしく想っているひとつに、
"Codename : まさお"があります。
 
(;´д` )
 
一般的な顔文字としての意味合いとしては、
「トホホ...」や「まいったなぁ」とかいう気持を代弁するための代表格であり、
日夜世界を奔走し使い廻されている人気者である。
ギャランティ著作権云々は、これからの話には関係ないので、
省かせていただくというよりはまったく興味がない。
 
僕がまさおに初めて出逢ったときの甘酸っぱい静かな胸騒ぎは、
いったいどこから生まれてきたのだろうか...と、
日々頭の隅で体育座りをしては、その途方もない問いかけに溜息ばかりこぼしていたのだけれど、
つい先日、ようやく明らかになった。
 

くいしんぼうのあおむしくん (こどものとも傑作集)

くいしんぼうのあおむしくん (こどものとも傑作集)

幼い頃、定期的に買ってもらっていた「こどものとも」のなかでも、
最も好きだったおはなしのひとつ。
そうは書きながらも、つい最近まではすっかり記憶の奥底に沈み埋もれていたのだから、
かっこつけた物言いはすこし気恥ずかしいのだけれど、
あの時感じられた胸いっぱいのせつなさは、今でもなんとなく残っていた。
ついこの間からどうやったら多大な出費をせずに、
こどものとも」をコンプリートできるだろうか...と、
気違いじみた願望を抱き始めてしまったのだけれど、
オークションのアラート機能に上がってくる、
それぞれの絵本の持つ美しさや素朴さや儚さ、そして懐かしさ...
それらに触れるだけでもなかなか楽しく、
いつのまにか当初の野蛮な願望は薄れて、ささやかな日課となった。
そんなある日のこと、衝撃の再会を果たした訳だ...。
ご覧ください!みなさん!!あおむしくんの顔!
食べ続けることをやめられない青虫君の病んだ憂い顔は、
まさしく先の顔文字の起源となっているような気がしてなりません。
抱え込み過ぎている小さなわだかまりのひとつが、
なんとも劇的な形で溶けてくれた上に、懐かしい想い出も掘り起こしてくれました。
そして、無性に『くいしんぼうのあおむしくん (こどものとも傑作集)』を読み返したくなりました。
あのラストシーン...、絶望の果てに希望を見つけたよ...ってね。
まだまだたくさん埋もれているのかなぁ。