Mckay / Into You

オリジナルは1978年。
アメリカはインディアナ州で、
Ray & Glen Pierle兄弟を中心に録音されて、
300枚限定の自主制作盤として発表された。
その後、1993年に300枚限定でレコードが、
1997年には『Take Two』と題されて出ていたアウトテイクを合わせたCDが、
Ray Pierle自身のプライヴェイト・レーベルから再発されている。
Acid/Psychedelic好きな一部の熱狂的コレクター涎垂の一枚らしい。
 
海外のサイトを見た限り、
その音楽性はイーグルスやデッドといったところが近似例とされている。
演奏も曲調もとてもシンプルだけれど、
ところどころ煌めくようなメロディを感じられるフォークロック。
惹かれることは確かだけれど、
自分には、AcidやPsychedelic云々の、
"微妙な差異”が、未だによくわからない。
それでも、ちょっとしたギターのカッティング、ヴォーカルの響き、
コーラスの重なり合い、ベースのフレーズ、曲の終わり方など...
じんわりと沁みては、深く心地好く残ってゆく。
それらの雰囲気はまるで、
すべてを見透かしている確信犯のようにも、
一日一日祈るように淡々と大切な畑を耕す農夫のようにも想える。
 
なぜこの音盤を求め手にすることとなったかは、
正直、もう憶えていないのだけれど、
忘れもしない一苦労して(笑)、個人から譲り受けたレコードと、
いつものように何気なく入った音盤店の中古棚で見つけたCDの両方を、
縁あって持っていて、時々ふと憶い出して聴き比べてみては、
その度、新たな魅力に気づかされる。
そんな繰返し...これもまたささやかな幸せか。
 
”料理の味つけにせよ、異性の好みにせよ、「微妙なニュアンス」としか
 言い表せない「差異」が微妙であればある程、
 あらわに全体の質を決定づけてしまうことは間違いないだろう。
 それが音楽であれば尚更のことだ。”
渚にてオルグレコード*1の柴山伸二氏が、
石原洋『Passivite*2の解説で書かれた文章を、
今頃になって、この音盤が想い起こさせた。
 
Original Sleeve taken from http://www.indiana45s.com/