さびたとびらをけやぶって
   もういちどこちらに
   でてこいよ
 
 
 
          山口冨士夫「さびたとびら」 『PRIVATE CASSETTE』より。
 
山口冨士夫「唯一のアコースティックアルバム」。
ギタ−ヒーローの名を欲しいままにしていた男が、
ひまつぶし (紙ジャケット仕様)』を経て、歌と向かい合うようになったのはなぜだろうか。
このアルバムからは、ものすごい臭気で、
日常に根差してしまった、ブルーズやロック、
かつてはそのように呼ばれた音が、
彼の煤けたフィルターを通して崩され流れてくる。
いい歳をした大人が、
まるで歌うことしか知らないように声を響かせて、
やさぐれるように吐き出される言葉の数々が、沁みる。
最後に収められた「STONE」
己の音を確かめながら、ギターという"いきもの"と戯れる様は、
独特な"Trip Music"となり、耳も心も連れていかれる...。
 

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渚にての柴山氏が、STUDIO VOICEのサイケ特集号で、
このアルバムを挙げていたのを憶い出して、
読み返してみようと探したけれど...見つからず。
あの号にはとてもお世話になったっけなぁ...。