憶えば、幼少...とは云っても、
小学生も高学年頃の記憶だけれど、
やたらと「疲れた」などと抜かす
子供だったなぁということを、
先週の夜のいつか、ふと頭を掠めた。
それについて母に正されたような憶えも、
後から付いてきた。
あの頃、口にしていた「疲れた」と、
今現在、重たく漏らされる「疲れた」では、
どうしてこんなにも感触が違うのだろうか...と、
横になりながら、別に答を探す訳でもなく、
だらだらと浮かばせていた。
あの頃は、僅かばかりの甘い倦怠感を弄ぶように、
その響きを持って確認するため口に出していたような...
美化された過去の一コマ。
いつからか、心地よい疲れなどとは、
知らぬ間に縁が途切れてしまったようで、
淡い不安に包まれる自分に気づく。
どうしてだろう。
些細な不安が心を蝕み始めて、
だんだんと肥大化してゆく。
気づいた時には、もう手遅れだった...などと、
つまらぬ方へぼんやり考え進めてみる。
雨はまだ降っているのだろうか。