しがない書店員が手に取った気になる本たち

皆が寝静まった夜深くに、こっそりと...。
誰かが何処かでこっそり覗いてにやついてくれたりでもすれば、いいなぁと。
今日も懲りずに、また。
 

不運な女

不運な女

帯には、ピーター・フォンダの賛辞。
死後、ひとり娘が遺品の中から発見した、
完成された最後の小説...。
 "『不運な女』はそれまでのブローティガン文学の特質を
  煮詰めていった作品といえるだろう。
  そしてまた、「ちりのようなことを書いている」、
  「わたしははたして何らかの役にたっているのか」という
  自己への不信感に動揺しつつも、
  「不連続性」を怖れることなく果敢に書きつづけた
  かれの別離のあいさつでもあった。"
新潮社『波』10月号に寄せられた、藤本和子「未完の死」より抜粋。
自分にとってのブローティガンはこれから。
同誌に書かれていた、「反知性主義」という言葉が強く残る。
"イメージの万華鏡"と讃えられた、「文学」を感じとりたい。

新潮社:紹介文(立ち読みリンクあり)

 

GAUDIA 造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル―幻想の古都プラハから

GAUDIA 造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル―幻想の古都プラハから

これ... 凄いです。びっくりしました。
今催されている展覧会の図録のような内容ですが、凄まじい。
映画人としてのシュヴァンクマイエルしか知らない自分にとっては、
歓喜と衝撃の一冊でした。
個人的には、シュルレアリスムを意識して描かれた絵画群に感動。
 「グロテスク、遊戯、魔術という聖なる「三位一体」は、
  ありとあらゆる蒐集物の陳列室の基本的な柱を表しており、
  想像という魔術的世界すなわち現代の功利的な文明に対立する
  もうひとつの世界の窓となることを目指している。」

神奈川県立近代美術館:造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル展

 

チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記

チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記

まず、チャルカって名前が好い。装幀が好い(帯込み)。東欧ってのも好い。
紙質が好い。見開きの模様が好い。載ってる雑貨や街並、雰囲気どれも好い。
何方の字か知りませんが、手書きの文字がとても好い。
ガイドしても良い。
これだけあれば... いかがでしょう?

http://www.charkha.net/

 

ナポリと来れば、マラドーナジローラモ?いやいやローサでしょう!
当店のバイトにも、熱狂的なファンを生んだローサちゃん...。
正直に白状すれば、かわいい?どこがぁ?と口走った過去もあれど、
見終えてみれば、その笑顔の虜に...とまではいかないけれど(笑)
具体的なスローライフの現在を知って、胸をくすぐられる。
実生活としては厳しいのかもしれないけれど、
この本から受ける印象としては、とても魅力的な世界。
写真好いですね。さすがプチグラ!イタリアもいいんだなぁと。
商標と化してきた"スローライフ"にうんざりの方にも、
ちょっと読んでみませんかと。

Petit Grand Publishing Online:catalogue

 
オンライン書店ビーケーワン:Te to te 

te to te (てとて)

te to te (てとて)

"日々のうたが、心ふるわせる "
てとて〜てとてとて〜 どんなうたなんでしょう?
さらら』『レター』のジャケットでお馴染みの
イラストレーターと一緒に創った、"余白の多いシンプルな絵本"
水彩画の爽やかな可能性。将来のこどものために買っておこうか...(笑)
なんだかハナレグミとは、人柄がそのまま作品になっているようで、
穏やかでのどかで心地よくあたたかで、凄い感じがしないけどすごいよなぁ。
さらら レター

「エフセットギャラリー」:北村範史プロフィール&最新の活動情報etc

 

愛の十三夜日記

愛の十三夜日記

タイトル違いますから!なんじゃこれ!? 仮タイトルだったのかな(笑)
正式タイトルは、『愛の十三夜日記』。
自称"劇場勧誘員"。辛口で知られるおすぎの7年間に渡る、日記形式の映画批評(?)
連載開始のはじめに、「本当に映画評論家と言えるのは四人だけ...」と
綴られた名が、おすぎから出てきたのがなんだか意外だった。
でもそれで見る目が変わってしまうミーハーな(?)自分...。
"劇場勧誘員"って、いいですね。

ダイヤモンド社:「本」の検索と購入

 

僕と風との対話

僕と風との対話

 "僕は「風のように生きたい」と思ってきたのだ。"
おそらく誰もがどこかで目にしたことがあるのでは?というくらい、
巷にあふれている、その独創的な絵。
どんなに明るい色で描かれても、どこか拭いきれない淋しさがまとわりつく。
でもそれは、神秘的な美しい静けさ、そして孤高の強い意志の表れのようで。
この自伝的エッセイに収められた絵も総じてそんな印象です。
著者の"反戦と平和"に対する強い意志を知って、絵のなかへ近づいた気がする。

葉祥明オフィシャルサイト

 

クレヨン王国って、アニメの絵柄に抵抗があって敬遠していたのだけれど、
たしか一度ちらっと観た時に、なかなか面白いなぁと想ったような朧げな記憶...。
本で読む分には面白いかもしれないなぁ。
その作者の、題名が素敵な短篇童話集。どこから読んでもいいそうです。
異国情緒漂うイラストも好いですね。

福永令三作品リスト (ファンページ)

 

猫の駅員

猫の駅員

ここに写された猫たちには淋しさのかけらもない。幸せな日々の記録。
きっと、みんなきっとうまくやっているさ。
 
暴れん坊本屋さん (1) (ウンポコ・エッセイ・コミックス)

暴れん坊本屋さん (1) (ウンポコ・エッセイ・コミックス)

そして...

マンガに疎いと蔑まれた翌日...
今日の朝日新聞読書欄で見つけて、店の在庫を検索してみれば、
当店には五冊、しかも面陳してありました(笑)
連載時には、Google検索で2件だったそうですが、
今では15.000件ですね〜!
どう見ても人間に見えない主人公(書店員兼漫画家)による
書店における理想と現実が描かれた問題作...。
書店員の書店員による書店員のためのコミックでもある。
爆笑どころ、共感どころ、ツッコミどころ、胸が痛むところたくさんあり。
久々に爆笑したなぁ。ネタが続くのでしょうか...。
これを機にバカ売れして、書店員辞めたりしないでしょうか...。
 

乙女&オトメンに捧ぐ...。

 

テイブルと―女の子のための暮らしとスタイリング (2005秋冬) (Gakken mook)

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ニューズ出版 : NEWs PUBLISHING

 

olive特別編集 オリーブ少女の雑貨感覚。

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