Dino Valente / Dino Valente

 
Dino Valente
 
"Acid Folk"の定番と云えば...。
もし、笑っていいタモ!の月曜日にかつてあった、
定番ショー(?)で、こう問われたのならば、
僕は迷う事なくこの音盤を書いただろう...。
 
これは音波である。
発しているのは、"Underground Dylan"と呼ばれた男。
表も裏も、彼にはどうでもよかったのかもしれないが。
こんなふうに歌ってしまう人は、
やはりどこかちがっていたんだろう。
その響きは、"白昼の白想"といった感があり、
平日の真昼間に、部屋で独りきり、毎日のように、
なにも考えず虚空を見つめて、身も心も音に委ねて、
遠くへ飛ばされ続けた日を憶い出す。
殆どの曲を12弦ギターだけで、歌い上げる。
長尺を感じさせない曲の美しさ、
波打つ声の響きに引きずり込まれた。
ジャケット同様、ものすごい癖があるけど、
この音波でかつてない揺らぎを感じてみたい方はぜひ。