空中ブランコ
たまたま在庫切れだった『マドンナ (講談社文庫)』を取り寄せて、
お買上げ頂いたお客さんが、
「同じ作家で『サーカス』ってのがあるんだけど、今あるかな?」って...
横で聞いてた自分は想わず『空中ブランコ』ですよねッ!?とツッコミ。
そうそうそれ!って。
フォッフォッフォッ...それくらいならなんとか。
それにしても見事な飛躍力だったなぁ(笑)
『日本の品格』とか「人は...何割」とかくらいならまだわかるけど、
ビジネス書のよくあるキーワードの書名から探すのとか、
帯の言葉を題名と勘違いしてこられたりすると、お手上げだ。
それと、本当に多いのが、
「これはタンコ本で出てるの?」っていうお客さん。
おわかりでしょうが、文庫本が単行本とごっちゃになって、
いつのまにか定着してしまった呼び方。
それにしても、タンコ本ってどういう漢字が頭に浮かんでいるのか、
気になるなぁ。
 
 

 
かもめ食堂 [DVD]
http://www.kamome-movie.com/
このムード...たまらないなぁ。
ただ、好いなぁと想って観ていても、
疲れた心身には眠気をもたらす場合があるもので、
実はこの作品を観るのは二度目だったりします(苦笑)
まぁ、通しで帰ってきた後には、映画観るもんじゃないよなって話で。
 
このメンツである程度の雰囲気を予測できるか、免疫のある人以外には、
もしかしたら退屈な作品かもしれないと憶ったけれども、
そこがいいんだろうなぁ。解毒剤か清涼剤か...。
僕は、とても満足しました。
舞台っぽい悪く言えば密室感のある流れになるのかなって不安も、
ヘルシンキの街並や、美味しそうなシナモンロールやおにぎりたちに救われた。
全編、音楽がほとんどなく、静かな作品でもあるけれど、
その分、素敵な台詞を聞かせるし、日常にあふれる心地好い音を聞かせてくれる。
個人的に気に入ったエピソードは、
「コピ・ルアック」って美味しくなるコーヒーのおまじない。
そして、人が入れてくれたコーヒーの方が美味しいって話。
あのミステリアスなおじさんの素性がわかったときのせつなさ(笑)
それも含めて、意外にけっこう笑えるんで驚いた。
小林聡美片桐はいりのかけあいや表情のきめ細かさとか。
そして、もたいまさこの佇まいはなんだか神がかっていて、
こんな境地へ辿り着きたい...こんな人になりたい!と想わされました(笑)
この淡々とした日常の風景がどこかファンタジックに感じられるのは、
フィンランドが舞台って新鮮さもあるんだろうけれど、
それだけ自分に余裕や自由がなくって、
息苦しい生き方をしてるからなんだろうなぁと、
すこしせつなくもなったり...。
だんだんと食堂らしくなっていく経過は控えめだけれど、
後々じぃんときましたね。
あったかいおにぎり食べたい。