故郷の幼なじみの結婚式に招かれて。

結婚式は、物心ついてからは初めてだった。
小さい頃の、たしか叔母の結婚式で座っていたことしか記憶にない。
本日は、ディズニーアンバサダーホテルにて。
なにからなにまでディズニー尽くしだった。
引出物ももちろんディスニーセット。
スペシャルゲストにミッキー&ミニー。
あのなかに見知らぬ人が入っていると想うと、とても妙な気分になった。
 
幼なじみである新郎とは、式の直前に通路で顔を合わせたけれど、
とても緊張していた。
式中も、披露宴でも、やはり緊張していてなんだか微笑ましかった。
新婦は当日に初めてお目にかかったのだけれど、
笑顔を絶やさぬ好印象で、その言動からもしっかりした人だなぁと想った。
きっと新郎が尻に敷かれて引っぱられて暮らしてゆくのだろうなぁと...
勝手に想い浮かべた。それが好いのだとも。
けっこう苦労したもんなぁ。
それでも、しっかり自分の夢をつかまえて、
かつて話してくれた通りの職業に就いている今。
何年か前に帰省した時に話してくれた彼女が、
横にいる新婦であろうと想う...たぶん(笑)
 
同郷組は僕を含めて四人だけだった。
新郎と新婦が出逢った専門学校の面々がほとんどだったけれど、
新郎の勤め先である故郷の保育園の園長先生も出席していて、
僕などはそれこそ中学生の頃挨拶して以来だろうから、
十数年ぶりの挨拶となった。
さすがに歳をとられて記憶の中の雰囲気とは違っていた。
新郎のご両親ともひさしぶりで、いろいろと話せて楽しかった。
R君もそろそろでしょう?いやいやまだまだです...なんて。
ほんとうに、現実はきびしくて...なにやってるんだか(苦笑)
 
披露宴では、ちびちびながらも飲み過ぎて、楽しみの料理もしっかり平らげた。
相変わらず新郎は表情に余裕がなかった。
なんだか申し訳なさそうな表情ばかりなので、
それを肴に同郷組で小笑いしながらの席であった。
二次会はすっかりくたびれ参加となった。
同郷組で指定された店に入ってみれば、既に席は埋まっており、
女性四人がけに同席させてもらうことになった。
面識がない方との同席はしんどいなぁと想っていたので、
ちょっと窮屈ではあったけれど、
なにかを我慢するように押し黙っていたこちらの一人が、
乾杯の音頭を任されて、かっこよく済ませた後は、
ようやく飲めることとなった上に、その一人の軽暴走もあり、
おたがい話も弾み始めてホッとした。
それにしても一番注目を集めるテンションの高い席となったっけ(笑)
女性四人組は、新婦側の幼なじみとのことで、
新婦に連れられてわが故郷にも降り立った話などでも盛上がった。
同い年なのに...人妻で落ち着いているのに...
いや、だからこそなのかもしれないそのエネルギー&テンションは、
自分のなかでは既に失われてしまったような懐かしさと眩しさとで、
なかなか同等に合わせることができず躊躇してしまった...。
新郎はようやく表情が和らぎ、
二人揃って、ミッキー&ミニーの耳飾りを冠っての出席となった。
最後のスピーチもじんわりと心熱くさせるような素晴らしいものだった。
 
僕は翌日仕事があるので、二次会終了後に退席させてもらった。
小雨降りしきるなか、引出物を担ぎ銀座を歩きながら、
故郷のこと、これからのこと、自分のもやもやしたことを辿りながら
結局はため息ばかり...。
七月か、八月か、法事で戻った折には、いろいろ話してみよう。
こんな故郷を顧みない不精者の戯言に、彼はどう応えてくれるのだろうか。
 
それはさておき、
結婚おめでとうございます。
素晴らしい式でした。
一人娘を頂いたのだから、しっかり頑張れよ!
しかし、島に嫁ぐ人の気持は凄いよなぁ。
偉いよなぁ...。
やっぱり『愛』なのかなぁ?と、
なかなか故郷に嫁さんを連れて帰れない男と、
ぼんやり語らうのでした。